2012-07-17から1日間の記事一覧

荻世いをら「東武東上線のポルトガル風スープ」【C+】

文体を見る限り成熟した印象。自分のスタイルを持っていることと同時に、この作家のスケールの限界が見える印象。前半は多少面白い部分もあったが、中盤からは読むのが厳しかった。

鈴木善徳「河童日誌」【B-】

着想自体は悪くないんだが、後半にすすむにつれてリアリティー甘し。こういった作品には如何にリアリティーを保持できるかが鍵。日誌的に文章を区切っていくことも、その必然性以上に安易な方に逃げた志の低さ。

藤野可織「にゃあじゃわかんない」【B+】

高度なことをしていることを評価。意味をもたせようとしたわざとらしい文章や元々の文章の精度でひっかかる所は多くあったが、それより試みを高く買いたい気分。