佐々木敦「半睡」 【B-】

四年ぶりの記事になる。これまでの四年間もtwitterの方で細々と書いてきてはいたが、こちらでは久々。字数制限なく書けるという事もあるし、この状況下リモートで在宅勤務出来るようになったことも一理。暇潰しに少し長めに覚書。自分の執筆の為の覚書。

「批評家」が書いたのだから話題にはなるのだろう。しかし巻頭ではない事から(たとえ筒井康隆であっても)編集部側も当該作品の微妙さも看破していたから巻頭には出来なかった事を看破出来てしまうような出来。冒頭からの勢力・ノリが良い分だけ、途中から失速し、読むのがきつく。典型的な中弛み。どうせ何か最後に仕掛けたいのだろう底意はひしと伝わる筆致なり内容なり。いわゆるSF界隈にありがちな頭でっかち童貞臭いも漂う中で読ませられたのはやはり筆力なり「眼」か。最後の「オチ」までを読ませられ、倫理とオチの「半」々といった合間を突いているのだろうし、突いたのだろうが、やはり童貞臭。経験不足をただただ感じさせる作品。一読の価値はある作品だし、一読でいい作品。い