2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
才能の塊の様な物を所々感じた。才能と言うより感性の鋭利と形容すべきか。「文藝」に載っていた作品も悪くなかった。短い作品だからというのもあるかもしれないが、短い作品という割には才気をこれ見よがし押し出していない感じも好印象。
良い意味悪い意味、新人らしからぬ印象。建築のみならず全方位的な文学的素養、オーソドックスな筆力。無論読んでいるこちら側には「新しさ」は感じられず、インスパイアは無い。それでも良しと所感。
「舞城」性が薄まったというか、「舞城」性のみしか残らなくなったというか。作家が自分の作家性を真似る悪循環というか。青臭さとスカスカしか感じない箇所多々。さすがと思わせる部分もあったが、欠伸も出た。
全体的にぼやけた感じ。それはこの作家の特色でもあり、哀切も浮かび上がっているように思うが、単刀直入に言い、読む楽しみが少なかった。タイトルからして震災の事を遠巻きに絡めようとしたのだろうが。
実は最近この連載を楽しみに購読している。連載が終わった時にでも具体的な事を書けたらと思うが、この作家の語りと語る内容が非常に合っている。この作品を語るために、この作家は長年虎視眈々と準備していたようにすら。
労働条件不良現場での群像劇と言うべきか。笑わせる箇所もあるが、全体的に中途半端。文章自体の問題も。登場人物達が設定の割に発言内容が賢かったり、肉体労働者とは思えず、その紋切から抜け出すと解釈するには、あまりにも作家の地が透けて見える。死の…