2012-08-12から1日間の記事一覧
構成は悪くないと思うのだが無駄な文章多し。芸風というにはやや遠い。急いで書き飛ばした印象も。この作家のウリである情緒はそれなりに感じるものの、もう一押し欲しい所。
前半は悪くなかったが後半は辛かった。顔が変わるという文学的といえば文学的な題材にリアリティーが負けている。物的証拠という問題に対峙しない等の違和が積算した。
伝承と現在が交差したときタイトルが切ない。私が読んだ最近の純文学では傑出。もうすこしだけ長くて良い気もしたが、以前この作家に感じた粗雑はなく、難しい題材を軽やかに描いている。
富裕パーティーや対比的な後半の描き方も悪くないが、心が高ぶらなかったのは事実。キレの問題か。自分が学生の頃は筒井康隆の新作と聞いただけで心が高ぶったもの。古井とはある意味対照的。