2015-10-08から1日間の記事一覧

赤坂真理「大津波のあと」【C+】

題材と文体とサイズという作品を構成する根幹の三つのバランスが悪い。このサイズで行くのなら題材をさらに絞り込むべきだったのでは。詩情は出ておらず、唯のダイジェストの印象。これを叩き台にじっくり書き込んでも良かったのでは。題材が勿体無し。

本谷有希子「異類婚姻譚」【B-】

まさに挑戦作といった所感である。取組んだ内容は評価に値し、夫婦関係の機微に踏み込んでいるが、いかんせん書き飛ばし・書き急ぎの感。集約された一行目からして嫌な予感。情景描写、登場人物も暈けている。挑戦作以上のものではないが、一つ興味深い題材…