岩城けい「さようなら、オレンジ」【B+】

所謂世界文学・翻訳文学の影響をきっちり受けた様な文体で、読みやすい作品ではあるが、題材の割に新しさは感じず。感動的な場面もあり、現在の日本の作家になかなか書けない内容ではあるが、手紙といった手法や人物描写の短絡化等々、基本的な部分での力は凡庸。