戌井昭人「ゼンマイ」 【C+】

だらだらと読めはするし、今回は特に如実に所感するも、やはり物足りない。モロッコという異質な舞台設定がなされているにもかかわらず、そのように感じさせるのだからよっぽどである。それが特異な芸風にまで行き着いているのなら良いのだが、やはり先人達のだらしなさに寄り掛かっているだけに所感。敬意ではない新しさを、読書体験にはどうしても求めたくなってしまう。わざわざ買って時間を割いているのだから。