砂川文次「市街戦」【B+】

今読まれるべき作品である事は確かである。生物の如き題材の作品であるが、他の時代にも通用しそうな硬質な筆致で書かれている。ジャーナリズム的用語・表現への依拠が散見されているように感じられる事が、どう読まれるか。新聞記事・ルポ・文学作品の間を問い直すには今少し紙幅が割かれるべきだったか。今少し文章・語句に一貫性があっても。