小山田浩子「穴」【B】

文芸誌界で話題の新人のようだが、やや気負いすぎたか。前半から穴にはまるまでは描写も含めて流れが良かったが、後半の義理の兄が出てくる前後からバランス失調。正直後半は眠気との戦い。書き急いで最後は義理の祖父の死・再雇用を無理やり押し込んだ感がぬぐえず。「」をもっと減らし地の文で勝負すべき作家のように所感。海外文学系列にありそうな既視感は感じるが、勤勉な印象は誠実。今後に期待。