乗代雄介 「十七八より」 【B+】

一文への執着を感じさせ、なかなかの密度だと思う。もちろん読了するのに私は疲れたが、悪くない疲労感、徒労感ではなく、充足している。同僚らに純文学をどんどん薦めている私ですら、薦めたくないような閉塞性の高い作風ではある。もう少し文章そしてプロットを平易にした方が良いかもしれぬ。読み手の読みに委ねるというより、ただ不明瞭に感ずる箇所も数点。