前田隆壱 「朝霧のテラ」 【B−】 

デビュー作を物語として比較的楽しく読んだ印象があり、2作目。物語がアフリカから縮小してしまったことがここまで影響するとは。文章が平易で捉え方を悪くすると味気が薄い分、かなり物語内の題材に準拠している印象。これは毀誉褒貶半ばしたものであり、物語世界が大きければ大きいだけそれに見合った読後感を読者に与えられるように所感。題材選びに慎重になればリターンも大きい作家だろう。